政府の観光需要喚起策「Go To キャンペーン」で、35%の補助額を差し引いた割引価格の表示がスタートしたが、旅行会社によって対応が分かれている。 なぜ対応がこんなにもバラバラなのだろうか。各旅行会社にその状況について話を聞いた。 ■日本旅行やエイチ・アイ・エスなどでは、予定通り実施 キャンペーンの対象外になった東京以外も、新型コロナウイルスの感染が拡大している。そんな状況下でも、政府は、2020年7月22日にキャンペーンをスタートさせ、菅義偉官房長官は、27日の会見などで、東京以外に除外を拡大せず、緊急事態宣言を再び出す状況でもないと説明した。 政府は、テレワーク7割を各企業に呼びかけており、さらに、菅氏は、休暇を楽しみながらテレワークで働く「ワーケーション」という新たな考え方も提唱した。リゾートで会社の許可を得て優雅に働くIT企業社員らの姿が、テレビなどで紹介された影響もあるのかもしれない。 Go To キャンペーンでは、準備が整った旅行会社から、27日に割引価格表示も始まった。これまでは、客が旅行後に割引分の還付手続きをする必要があったが、その手間がなくなったわけだ。 日本旅行やエイチ・アイ・エスなどでは、この日午前10時から公式サイトや店頭で割引価格を反映させたパッケージツアーの販売を始めた。「政府から10日にキャンペーンが発表されてから、問い合わせがたくさん来ています。27日の予約状況などは、まだ分かりません」(日本旅行広報室)、「価格を重視するなどしたオンライン特別商品も扱っています。感染対策については、各ホテルも注意していると聞いています」(エイチ・アイ・エス広報室)とJ-CASTニュースの取材に説明した。
JTBは、「準備の関係上」からツアーを3日遅れで
一方で、変則的とも言えそうなスタートをした旅行会社もあった。 JTBは、公式サイトなどで7月27日から割引価格の商品表示を始めたが、8月末までの夏休み中の宿泊だけの取り扱いだった。ツアーはまだ対象外で、7月30日からスタートすると告知している。 「夏休みの宿泊は、準備が整ったためで、その後の宿泊は、準備次第になります。ツアーが少し遅れたのは、準備の関係上です」(同社広報室) また、ジェイトリップは、公式サイトで27日から沖縄と北海道を先行して割引表示を始めた。東京を除くそれ以外の地域は、28日以降になるとしている。 旅行サイト「じゃらんネット」を運営するリクルートライフスタイルは、27日からの割引価格表示を見送った。 「27日を目指していましたが、システム面の準備が間に合いませんでした。いつからスタートするかは、まだ決まっていません。準備が整い次第になります」(広報担当者) 「楽天トラベル」を運営する楽天も、公式サイトでキャンペーンをPRしているが、27日は動きがなかった。 「安心・安全をしっかり打ち出せるように、対策を検討していますが、まだ固まっていません。旅行者の方が気になっていることについては、最大限配慮したいと考えています。実施時期については未定です」(PRグループの担当者) ただ、キャンペーンの事業者登録は済ませており、同様に登録した宿泊施設なら、還元の対象になるとしている。 ちなみに、同社の三木谷浩史社長は、ツイッターで「GoToは、感染が落ち着いてから」との持論を述べており、楽天を含めたIT企業などでつくる新経済連盟は18日、代表理事の三木谷氏の名前で、医療崩壊する地域が出る可能性があるとして、政府にスタート延期の緊急申し入れを行っている。 (J-CASTニュース編集部 野口博之)
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